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投資の損益|申告分離課税で税率20%|損益通算で利益と損失を相殺

2015年7月8日

金融商品に課税される仕組みが平成28年度より変わります。

株式と債券で異なる課税方法が統一され、一律税率が20%となります。

利益と損失を相殺することで節税につながる「損益通算」の範囲も広がります。

【申告分離課税】

株式や投資信託、国債や社債などの債券といった金融商品は運用で得た利益に税金がかかりますが、株と債券では課税方式や税率が異なっています。

例えば、上場株式や株式を組み込んだ投信は、給与などの所得と区別して税金を計算し、原則、確定申告で課税されます。

これを、「申告分離課税」といいます。売買益や配当に20%の税率が課税されます。

一方で、個人向け国債や社債といった公社債の利子、公社債で運用する投信の分配金は、所得から税額が天引きされます。

これを、「源泉分離課税」といいます(税率は20%)。また、公社債を償還前に売却して得た利益は非課税である一方、償還時に出た利益は、雜所得として総合課税の対象となります。

これらの方法は、2016年度1月より一律20%の申告分離課税に統一されます。

「金融所得課税の一本化」と呼ばれるものですが、金融商品にかかる税金の仕組みをシンプルにするのが狙いといわれています。

 

【対象額を圧縮】

変更点は、税率以外にもあります。

異なる金融商品同同士で利益と損失を相殺し、課税対象金額を圧縮する「損益通算」もしやすくなります。

現在は、株式と公社債は損益通算できませんが、来年度(平成28年度)から可能となります。

例)

例えば、来年度末の時点で、株式によって100万円の利益が出た場合、通常20%課税なので20万円が差し引かれます。

一方で、公社債の運用で40万円の損失が出ていれば、株式の利益100万円と債券の損失40%とを相殺します。

つまり、課税対象額を60万円に圧縮することができます。

税率は20%なので、差し引かれる税金は60万円×20%=12万円

20万-12万円=8万円(圧縮)

 

【個人の所得税確定申告】

平成28年度から申告分離課税に一元化されることで、手続は原則、確定申告が必要になります。

ただ、株式や投信の取引を行うための「特定口座」を金融機関に持っていたり、開設したりすれば、税額の計算や源泉徴収手続を金融機関が代行してくれ確定申告は不要になります。

特定口座はこれまでは、株式や投信に限定されていましたが、これに債券も来年から追加されることになります。

 

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