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住宅ローン|変動金利と固定金利どちらが有利|全期間固定型と固定金利選択型

2018年2月12日

 

住宅の購入は、生涯で最も高い買い物といわれています。

いくらの物件が買えるのか、住宅ローンをどう組んで、どのように返済していくのかなど、不安や疑問は尽きません。

 

【 住宅費は年収の2割以内が理想的 】

例)33歳の会社員の男性は、子供の誕生をきっかけに駅に近いマンションの購入を検討しています。75㎡の新築物件で、価格は4,500万円。頭金500万円を出して、残りの4,000万円を住宅ローンで借りる予定です。

変動金利型で、金利は年0.525%です。返済額を毎月一定にする元利均等返済で35年かけて返済すると、月々の返済額は10万4,277円になりました。

男性の年収は額面で500万円あり、30歳の妻は会社員で額面280万円の年収です。年間18万円の児童手当を含めて、世帯年収は798万円になります。

ローンの返済額は今、支払っている賃貸マンションの家賃とほぼ同じで、十分返済できると考えることができます。

 

しかし、注意しなければならないことは、マンションの場合は、住宅費はローンの返済以外にもかかります。

この男性の場合は、管理費や修繕積立金が月々23,000円、固定資産税が年間13万円かかりますから、ローンの返済額と合わせると年間約166万円になります。

この管理費や修繕積立金等も含めた金額をきちんと支払うことができるかどうかを事前にチェックする必要があります。

 

ローンの返済は長期にわたるため、現状では無理なく返済することができても、子供が高校に進学する15年後や大学に入学する頃は教育費がかかりますから、家計がどうなるかは不透明です。

また、この先、老後の生活資金も積み立てていかなければなりません。

目安として、子供がいる家庭の場合、住宅費が年収の20%以内に収まれば理想的です。また、子供がいない夫婦の場合は、年収30%以内が目安になります。

この目安を大きく上回るようであれば、予算的に無理をしている可能性が高いです。家の広さや立地条件を見直す、中古物件も選択肢に含めるなどして、より手頃な物件にしたほうが賢明です。

また、親から贈与を受けるなどして頭金を増やして住宅ローン全体の額を減らすか、節約に努めて家計を改善する方法も考えられます。

 

ローンの返済期間を長くすれば月々の返済額が減るので、目安の範囲内に収めることは可能です。

ただ、この方法では、期間が延びる分、利息を多く支払うので、総返済額が増えてしまいます。完済期間が70歳を超えるような長期ローンにすると、定年後も返済に追われて老後の生活が苦しくなってしまいます。

 

【 金利は変動型か固定型か 】

変動金利型は、半年ごとに金利が見直されますが、返済額は5年間変わらないタイプが多いです。返済額が頻繁に増減するのを避けるためです。

金利が上がると元本の返済が進まず、5年後に返済額が増えてしまう可能性があります。

変動金利を利用する場合は、金利が今後上昇する事態を想定して、家計にある程度の余裕を持つことが必要です。

返済額の増加が不安な人には、全期間固定型のローンという選択肢があります。返済開始から終了まで金利が変わらないタイプで、返済計画が立てやすいです。

その代表例が住宅金融支援機構のフラット35です。メガバンクなども独自商品を取り扱っています。ただし、現在の金利は年1~2%と、変動金利に比べて割高になっています。

このほか、当初3年間など一定期間の金利を固定する固定金利選択型もあります。期間が終わると、変動金利か固定金利を選択することになります。

 

 

変動金利型  固定金利選択型  全期間固定型
金利が年2回見直される  一定期間金利変動なし。その後どちらかを選択。  返済開始から終了まで金利が変わらない
返済期間が5年固定が多い  固定期間が短いほど低金利、変動金利を下回ることもある  返済額が一定のため、計画を立てやすい
固定金利より金利が低め  固定期間終了後、金利が上昇することが多い  変動金利より金利が高め