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消費税の増税と経過措置|適用の基準日|工事請負契約など

2019年1月23日

消費税の税率の適用の基準日に注意

税制改正により消費税が税率が引き上げられて以降も、引き上げられる前の税率が適用される取引があります。

「経過措置」と呼ばれるものです。

自宅の新築など金額の大きい取引に該当するので、何が対象になるのか把握しておく必要がありますね。

2019年10月1日以降、軽減税率の対象である食品や定期購読の新聞などを除いた取引にかかる消費税率は8%から10%になります。

消費税が課税されるのは、原則として商品の引き渡しやサービスの提供があったときです。

ただ、前もって代金を支払うのが一般的な取引や、契約から引き渡しまでに時間のかかる取引もあります。

そうした取引も一律に2019年10月1日をもって税率を変更してしまうと、不都合が生じかねません。

それらに関しては、商品の引き渡しやサービスの提供が2019年10月以降でも、従来の8%の税率が適用される場合があります。

経過措置は大きく2種類あります。

増税となる日の半年前(2019年4月1日)が基準のものと、増税となる日(2019年10月1日)が基準のものです。

 

2019年3月31日までに契約

~工事請負契約など~

注文住宅の建築や住宅のリフォームなど工事請負契約は、契約から引き渡しまでの期間が長いです。

しかも、2019年9月の引き渡し予定が、工事が遅れて10月になってしまうようなこともあります。

このせいで増税により契約金額が変わってしまう、という問題を防ぐため、経過措置の対象になっています。

ただし、その契約は2019年4月1日よりも前、つまり2019年3月31日までにする必要があります。

なお、マンションや建売住宅の購入は、工事請負契約ではなく完成品の売買契約となるため、経過措置の対象外です。

2019年3月までの契約でも、10月以降の引き渡しであれば、10%が課税されます。

一方で、完成済みの住宅でも、内装や外装の模様替えなどの工事をしたうえで引き渡しされる場合、工事請負契約と同じ扱いとなります。

結婚式やパック旅行についても、2019年3月末までに契約した場合、挙式や旅行が10月以降でも8%の消費税が適用されます。

雑誌の年間定期購読も、2019年3月末までに契約し9月末までに代金を支払えば、受け取りが10月以降でも税率8%で済みます。

 

 

2019年9月30日までに契約 

~電車の定期券や飛行機チケットなど~

2019年9月末までに購入が基準になるものとしては、まず、電車の定期券や飛行機のチケットなどがあります。

たとえば、定期券を9月末までに買っておけば、10月1日以降に乗車する場合も8%の税率のままとなり、増税による追加料金を取られることはありません。

定期券だけでなく、前売り指定席券や回数券などにも適用されます。

ただ、チケットを事前に購入していても、10月以降に座席をアップグレードするような場合は、追加料金に10%の消費税が課税されるので注意してください。

映画やスポーツの前売り券、遊園地の入場料金もこうした経過措置の対象外です。

遊園地の年間パスポートなども9月末までに購入すれば、10月以降の利用に10%の税率がかかることはありません。

電気やガス、水道などの料金にも経過措置があります。

これらは検針により毎月の料金が確定しますが、10月中の検針分については8%の税率が適用されます。

税率が異なる9月の使用量と10月の使用量を分けて検針するのは手間がかかるためです。

電話料金も、同様に経過措置の対象です。

一方で、自宅のインターネット回線で月々の使用量に関係なく定額料金となっている場合は対象外です。

サービスの提供が完了した時点の税率で課税されるので、10月中の利用分は10%となります。

 

消費税増税と住宅購入 ~住宅ローン控除の期間延長~

人生の3大支出のひとつといわれる住宅購入に対する消費税の増税は大きいです。

たとえば、3,000万円の家を建てる場合、税率8%であれば消費税は240万円ですが、10%だと300万円になります。

60万円の負担増になります。

ただし、増税だからといって焦る必要はありません。

消費税増税に伴い、負担軽減策が用意されているためです。

ひとつは、「すまい給付金」の拡充です。年収510万円以下だった給付対象が775万円以下に拡大され、給付額も最大30万円から50万円に増額されます。

また、住宅ローン減税も、控除期間が 10年から「13年」に3年間延長になりました。

ただし、平成31年10月1日から平成32年12月31日までの間に住む場合に限定です。

これらのことを考慮して、住宅購入を変に焦ったりする必要はないですね。