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支出先が明らかにされていない支出|使途秘匿金とは
金曜日, 5月 1st, 2015
【使途秘匿金(しとひとくきん)】法人税法上、支払先が明らかにされていない支出に対しては、使途秘匿金(しとひとくきん)などの罰則的な課税制度が設けられています。中小企業の実務では、経理処理を行う上で、支払先などがはっきりしない支出が少なからず見受けられます。 使途秘匿金などが適用されるケースはめずらしく、多くの場合「役員給与認定」されています。 役員給与とされると、当然、源泉所得税の対象にもなりますし、その源泉徴収漏れは不納付加算税 使途秘匿金とは、使い道を隠しているお金のことです。 使途秘匿金とみなされる支出の条件は3つ有ります。
支払先が明確にできない場合には、『費途不明(ひとふめい)の交際費等』として損金性が否定されて、さらに罰則的に『使途秘匿金』が適用されるとその支払金額の40%相当額の税額を通常の法人税とは別に納税することになります。 この二つの規定は似ているが内容が異なります。 税務調査で使途が明らかになった場合には、『費途不明の交際費等』の適用はなくなり、損金算入が認められることになりますが、 『使途秘匿金』は判定時点が確定申告書の提出期限なので、事後的に使途がわかったとしても回避することはできません。 『使途秘匿金』は、支払先などが帳簿に記載されていることが重要な判断基準になっており、その判定時点が申告書の提出期限であるということがポイントとなります。
【使途秘匿金と認定されるポイント】1.金銭の支出であるかどうか
2.支出先の氏名などの情報が帳簿に記載されているかどうか この反面調査をクリアして初めて「帳簿記載されている」と認定を受けることができます。
3.記載していない相当の理由があるかどうか 実務上把握できるのにもかかわらず、記載がない場合は「相当の理由」とは認められません。相当の理由として認められる場合には、使途秘匿金とはされず追徴課税は行われません。
4.対価性があるかどうか たとえ支出先が不明な仕入れがあったとしても、それに対する支出額に妥当性が認められれば使途秘匿金ではないということです。
【使途秘匿金の違法性】使途秘匿金については、支出先等の記録を一切残さないということですので、違法性があるといわざるを得ません。 この場合、単に「損金不算入」として税金対象にするだけではなく、支出(支給)した金額に対して別途 40%の法人税の負担が生じます。 さらに地方税にも影響します。たとえば、赤字法人であっても、使途秘匿金の場合、通常の法人税の負担は生じなくても使途秘匿金について税負担が生じることになります。 具体的には、談合の裏金、政治家への裏献金等が、これにあたります。 使途秘匿金の支出にともなう税負担は、通常の所得に対する税負担として実効税率約35%、加えて法人税が 40%、地方税が約 7%の税負担となります。 さらに支出による処理を他の科目に仮装しておこなっているような場合は、重加算税の対象となりますので、さらに負担が大きくなります。 法人税の税率が下がる方向ではありますが、このような罰則は中小企業にとっては痛いです。 |
【租税特別措置法62、68の67】2 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例(措法62、68の67)
【法人税法基本通達9-7-20】費途不明の交際費等9-7-20 法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって支出した金銭でその費途が明らかでないものは、損金の額に算入しない。
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