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税制改正大綱|相続税改正

日曜日, 10月 16th, 2011

平成23年度税制改正大綱 相続税改正

平成22年12月16日に平成23年度税制改正大綱が公表され、相続税は格差是正と富の再分配機能の回復を図る観点から、課税が強化されることになりました。

しかし、通常なら税制改正は3月までに成立し4月から施行されますが、平成23年度はねじれ国会や震災の影響等により、税制改正大綱どおりに成立していません。

また、平成24年度税制改正についても、引続き実施は見送られる予定です。

よって、下記の改正案が今後施行さるるかは不透明な状況となっておりますが、相続税は今後課税が強化される方向性であることは変わらないと考えられるため、改正前に適切な相続税対策を行うことが望まれます。

平成23年度税制改正大綱の主な改正案は以下のとおりです。

 

(1)基礎控除が4割縮小
基礎控除は従来の「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」から「3,000万円+600万円×法定相続人数」に引き下げられます。
よって、従来は相続人が3人の場合、8,000万円以上の遺産がなければ相続税はかかりませんでしたが、改正後は基礎控除が4割引き下げられるため、4,800万円以上の財産があれば原則として相続税が課税されることになります。当該基礎控除の引下げにより、相続税がかかる人の割合は約4.2%から倍増する見通しです。

 

(2)最高税率が50%から55%に引上げ
相続税の最高税率が50%から55%に引き上げられます。また、税率区分は現状の6段階から8段階に変更され、6億円超の遺産に最高の55%、2億円超3億円以下には新たな税率区分として税率45%が設けられました。税率の新旧比較表は下記に記載しています。

 

(3)生命保険の控除制限
生命保険金は「法定相続人×500万円」の非課税枠がありますが、今後、控除が認められるのは法定相続人のうち、未成年・障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一の相続人に限られることになります。よって、亡くなった親から独立した子供などには非課税枠がなくなることになります。

 

(4)相続時精算課税贈与制度の対象者拡大
相続税精算課税の受贈者に、20 歳以上である孫(現行 推定相続人のみ)が追加され、贈与者の年齢要件も65歳以上から60歳歳以上に引き下げされます。

このように、平成23年度の相続税改正は、課税対象者が大幅に増える内容となっており、都会に持ち家がある方で、1,000万円程度の金融資産があれば、課税対象になる可能性があります。該当する可能性のある方は、一度相続財産を洗い出して相続税がかかるか試算し、必要があれば相続税対策を検討してください。