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未収利息を未収収益として収益計上しなくてもいい場合
水曜日, 1月 14th, 2015【貸付金の未収利息】
原則として、貸付金についての利子については、その利子の計算期間の経過に応じて、その事業年度の収益の額に計上することとされています。
ただし、利払い日が1年以内に到来する場合には、継続適用を条件として、利子が支払われた日に収益計上することもできます。
また、貸付金の債務者について、次のいずれかの事実が生じた場合には、その利子の額を収益の額に計上しないことができます。
【未収利息を計上しなくてもよい場合】
1.貸付金に係る債務者が債務超過の状態に陥っていること、その他相当の理由により、その支払を督促したにもかかわらず、その貸付金にかかる利子の額のうち、その事業年度終了の日前6ヶ月以内にその支払期日が到来したものの全額がその事業年度終了の時において未収となっており、かつ、その事業年度終了の日前6ヶ月以内にその支払期日が到来したもの以外の利子について支払を受けた金額が全くないか極めて少額であること。
2.債務者につき会社更生法の規定による更生手続きが開始されたこと。
3.債務者につき債務超過の状態が、相当期間継続し、事業好転の見通しがないこと、その債務者が天災事故、経済事情の急変等により多大の損失を被ったことその他これらに類する事由が生じたため、その貸付金の額の全部または相当部分についてその回収が危ぶまれるに至ったこと。
4.会社更生法の規定による更生計画の認可決定、債権者集会の協議決定等によりその貸付金の額の全部または相当部分について相当期間(おおむね2年以上)棚上げされることとなったこと。
【参考:法人税法基本通達2-1-24、2-1-25】
(貸付金利子等の帰属の時期)
2-1-24 貸付金、預金、貯金又は有価証券(以下2-1-24において「貸付金等」という。)から生ずる利子の額は、その利子の計算期間の経過に応じ当該事業年度に係る金額を当該事業年度の益金の額に算入する。ただし、主として金融及び保険業を営む法人以外の法人が、その有する貸付金等(当該法人が金融及び保険業を兼業する場合には、当該金融及び保険業に係るものを除く。)から生ずる利子でその支払期日が1年以内の一定の期間ごとに到来するものの額につき、継続してその支払期日の属する事業年度の益金の額に算入している場合には、これを認める。(昭55年直法2-8「六」により追加、昭61年直法2-12「一」、平12年課法2-7「二」、平19年課法2-5「二」により改正)
(注)
1 例えば借入金とその運用資産としての貸付金、預金、貯金又は有価証券(法第12条第1項《信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属》に規定する受益者(同条第2項の規定により同条第1項に規定する受益者とみなされる者を含む。)がその信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされる信託(以下「受益者等課税信託」という。)の信託財産に属するこれらの資産を含む。)がひも付きの見合関係にある場合のように、その借入金に係る支払利子の額と運用資産から生ずる利子の額を対応させて計上すべき場合には、その運用資産から生ずる利子の額については、ただし書の適用はないものとする。
2 資産の販売等に伴い発生する売上債権(受取手形を含む。)又はその他の金銭債権について、その現在価値と当該債権に含まれる金利要素とを区分経理している場合の当該金利要素に相当する部分の金額は、当該債権の発生の基となる資産の販売等に係る売上の額等に含まれることに留意する。
(相当期間未収が継続した場合等の貸付金利子等の帰属時期の特例)
2-1-25 法人の有する貸付金又は当該貸付金に係る債務者について次のいずれかの事実が生じた場合には、当該貸付金から生ずる利子の額(実際に支払を受けた金額を除く。)のうち当該事業年度に係るものは、2-1-24にかかわらず、当該事業年度の益金の額に算入しないことができるものとする。(昭55年直法2-8「六」により追加、平12年課法2-7「二」、平15年課法2-7「六」、平17年課法2-14「三」、平19年課法2-3「九」、平22年課法2-1「七」により改正)
(1) 債務者が債務超過に陥っていることその他相当の理由により、その支払を督促したにもかかわらず、当該貸付金から生ずる利子の額のうち当該事業年度終了の日以前6月(当該事業年度終了の日以前6月以内に支払期日がないものは1年。以下2-1-25において「直近6月等」という。)以内にその支払期日が到来したもの(当該貸付金に係る金銭債権を売買等により取得した場合のその取得前の期間のものを含む。以下2-1-25において「最近発生利子」という。)の全額が当該事業年度終了の時において未収となっており、かつ、直近6月等以内に最近発生利子以外の利子について支払を受けた金額が全くないか又は極めて少額であること。
(2) 債務者につき更生手続が開始されたこと。
(3) 債務者につき債務超過の状態が相当期間継続し、事業好転の見通しがないこと、当該債務者が天災事故、経済事情の急変等により多大の損失を蒙ったことその他これらに類する事由が生じたため、当額貸付金の額の全部又は相当部分についてその回収が危ぶまれるに至ったこと。
(4) 更生計画認可の決定、債権者集会の協議決定等により当該貸付金の額の全部又は相当部分について相当期間(おおむね2年以上)棚上げされることとなったこと。
(注)
1 この取扱いにより益金の額に算入しなかった利子の額については、その後これにつき実際に支払を受けた日の属する事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)の益金の額に算入する。
2 法人の有する債券又は債券の発行者に上記(1)から(4)までと同様の事実が生じた場合にも、当該債券に係る利子につき同様に取り扱う。