棚卸資産を廃棄し、値引き販売する

棚卸資産の評価損の計上は、税務対策上の有効な手段です。

しかし、その判断のしかたが税務調査で問題となるケースもあります。

一方、棚卸資産の廃棄や値引き販売は実際に廃棄なり売却してしまうので評価損と比べて問題になり難いといえます。

 

【棚卸資産の廃棄のポイント】

棚卸資産を実際に廃棄損として損金に算入しますが、実際に廃棄する場合には、廃棄したことを証明する書類を残す必要があります。

決算日までに廃棄業者から、廃棄業者が引き取ったことを証する書類(廃棄証明書等)を取得することが最適です。

もし、これらの証明書等が取得できない場合には、次のような書類を残すことをおすすめします。

1.廃棄処理を決定した取締役会の議事録や稟議書

2.廃棄した物のリスト

3.廃棄したものの写真

4.廃棄業者からの請求書

 

【注意点】

実際に廃棄するという行為が必要ですので、決算日までには必ず廃棄業者に引き渡す必要があります。

そのため、決算日前に廃棄業者に依頼したが、まだ引渡ししていない場合や、帳簿上だけ廃棄処理をして、現物はまだ倉庫に保管している場合などは認められません。

なお、在庫が長期に渡って保管されているような場合、在庫の維持管理コスト(人件費、倉庫の賃借料、保険料等)もかかるため、これらの費用も節約できるといった副次的なメリットもあります。

 

【値引き販売のポイント】

不良在庫などを決算セールなどで廉価で販売します。

廃棄処理に比較して、現金収入が得られる分、資金繰りも改善します。

また、売上計上額と仕入金額との差額が損失として計上されるため、結果として節税につながります。

 

なお、在庫の維持管理コストが削減できるといった効果もあります。

不良在庫を廉価販売したときは、通常価格での販売が困難な理由とともに、そのために決算セールを実施する旨の議事録、決算セールのチラシなど証明できるものを保管しておくといいです。

 

>お役立ち情報トップへ

△ページトップへ

 

Comments are closed.