外装工事外壁塗装工事は、資本的支出として資産計上か修繕費として費用計上
【修繕費となる場合】
建物の外壁塗装や壁や床の張替えなどの工事は、それが固定資産の維持、管理、または原状回復として通常必要である修理やメンテナンスであると認められれば、税務上その費用は修繕費として処理することができることになっています。
【修繕費とならず、資産計上される場合】
修繕工事の頻度、規模、高性能化改良などにより、その行為が価値や性能、耐久性を向上させるための修理であるとされれば、その行為は修繕費としては認められません。
具体的には、建物に手すりや非常階段などを取り付けるような工事、増築など、建物自体の価値を高めるような工事は修繕費としては認められず、資本的支出と判断され、資産計上となります。費用として計上できるのは減価償却手続きにより、資産の取得原価を配分していくことになります。
【外壁塗装工事】
外壁の吹き付けが、時間の経過により劣化したものを元に戻すための塗装(つまり、原状回復)で、一般的な材料を使用した吹き付けであれば、通常の維持補修に係る費用となりますので、修繕費として経費処理できます。
これに対して、高級な材料を使って建物の価値を高めた場合は、資本的支出になります。この場合には、資本的支出に該当し、資産計上し、減価償却をすることになります。
【国税不服審判所の例】
鉄筋コンクリート造り店舗共同住宅の外壁等の補修工事に要した金員は修繕費に当たるとした事例
裁決事例集 No.38 – 46頁
資本的支出と修繕費の区分は、支出金額の多寡によるのではなく、その実質によって判定するものと解されるところ、本件建物の外壁等の補修工事のうち、外壁等への樹脂の注入工事等は建物全体にされたものではなく、また、塗装工事等は建物の通常の維持又は管理に必要な修繕そのものか、その範ちゅうに属するものであるから、これらに要した費用は修繕費とするのが相当である。
また、外壁天井防水美装工事は、補修工事に伴う補修面の美装工事であって、塗装材として特別に上質な材料を用いたものではないことが認められるから、これに要した費用も修繕費とするのが相当である。
平成元年10月6日裁決