年末調整後の扶養親族等の異動があった場合|年末調整か確定申告か
サラリーマンの年末調整では、その年の最後の給与支払いの際の状況で扶養控除等が適用されます。
昨年12月31日までに扶養控除等の「異動」があった場合には、税務署へ源泉徴収票を提出する期限である今月末までに、年末調整のやり直しができます。
12月の最後の給与支払日までに年末調整が終わった後、12月31日までの間に控除対象扶養親族等の異動があった場合は、年末調整した税額と納める税額が違ってきます。
例えば、結婚して控除対象となる配偶者を有する場合や、結婚し配偶者の連れ子(所得なし)とともに生計を一にする場合には、年末調整の再調整をすることができます。
そもそも年末調整の際の所得控除については、給与所得者から提出されている「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の記載に基づいて行うので、12月31日の現況によって判断するものではありません(所法190)。
源泉徴収法の作成・受給者への交付・税務署への提出期限である翌年1月31日までに、異動があった給与所得者から「給与所得者に扶養控除等(異動)申告書」の提出を受け、再調整を行う必要があります。
また、サラリーマンがこの異動申告書を提出せず、年末調整のやり直しをしない場合には、本人が確定申告により、所得税の還付を受けることが可能です。
通常は年調をやり直すものですが、この場合は計算誤りという「ミス」ではなく、あくまで扶養親族等の「異動」だからです(所基通190-5)。
ただし、年末調整後に、子が結婚して控除対象扶養親族から外れ、不足税額が生じる場合などは確定申告ができません。
この場合、たとえ翌年1月31日を過ぎたとしても、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出を受けて、年末調整をやり直す必要があります(所基通194~198共-1)。