住宅借入金等特別控除|自宅のリフォーム

ローンを組み自宅のリフォームをした場合には「住宅ローン控除」の対象となっていました。

しかし、ここ数年既存住宅の改修工事に対しいろいろな税制優遇が創設され、制度が少し分りにくくなっています。

Ⅰ ローンを組んでリフォームをする場合

①  住宅借入金等特別控除

いわゆる「住宅ローン控除」のことで、住宅を買ったとき以外にも「100万円以上の工事費用がかかっている場合」、「返済期間が10年以上の借入を組むこと」など一定の要件を満たせば控除の対象となります。(年末の借入残高(最高5000万円※)×1%)が控除限度額となっていて、10年間、控除を受ける事が出来ます。他の住宅改修に関する税制優遇と比較すると、控除割合は低いですが限度額が大きく、税額控除の対象期間も長いので、大規模な改修工事をした場合に選択すると有利となりそうです。

②  特定増改築等住宅借入金等特別控除

ⅰ 省エネ改修工事にかかるもの

リフォームのうち、一定の「省エネ改修工事」に該当する工事が30万円超えて含まれている場合に適用が出来る制度です。(返済期間が5年以上の借入を組む必要があります)

次の金額が控除限度額となります。

イ 年末の借入残高のうち、省エネ改修工事の費用の額の合計額(最高2百万円)×2%

ロ 年末の借入残高(最高1千万円)うち、イの年末残高を差し引いた残額×1%

ⅱ バリアフリー改修工事にかかるもの

「住宅ローン控除」に該当するリフォームのうち、一定の「バリアフリー改修工事」に該当する工事が30万円超えて含まれている場合に適用が出来る制度です。(返済期間が5年以上の借入を組む必要があります)また、50歳以上であることなど、適用対象となる人が限定されています。

次の金額が控除限度額となります。

イ 年末の借入残高のうち、バリアフリー改修工事の費用の額の合計額(最高2百万円)×2%

ロ 年末の借入残高(最高1千万円)うち、イの年末残高を差し引いた残額×1%

控除限度額は最高で12万円、控除期間は5年となっています。

特定増改築等住宅借入金等特別控除については、「住宅借入金特別控除」の対象とならないような、比較的小規模なリフォームも対象となっています。「特定増改築等住宅借入金特別控除」は「住宅借入金特別控除」との選択適用となります。また、「省エネ改修工事」と「バリアフリー改修工事」の両方の工事がある場合には両方の制度を合わせて限度額を計算する必要があります。

 

Ⅱ ローンを組まずにリフォームする場合

今まで、いわゆる「住宅ローン控除」は「借入金の残高がある」事が前提となっていましたが、次のものは借入残高に関係なく摘要できるものです。

① 住宅特定改修特別税額控除

ⅰ 省エネ改修工事にかかるもの

自己が所有し居住する家屋に30万円を超える、一定の「省エネ改修工事」を行なった場合には次の金額が、その「省エネ改修工事」を行なった年の所得税額から控除する事が出来ます。

イ 省エネ改修工事に要した費用の額

ロ 省エネ改修工事の標準的な費用の額

イ、ロのいずれか少ない金額×10%(最高20万円、太陽光発電装置の設置費用が含まれている場合には最高30万円)

ⅱ バリアフリー改修工事にかかるもの

自己が所有し居住する家屋に30万円を超える、一定の「バリアフリー改修工事」を行なった場合には次の金額が、その「バリアフリー改修工事」を行なった年の所得税額から控除する事が出来ます。

イ バリアフリー改修工事に要した費用の額

ロ バリアフリー改修工事の標準的な費用の額

イ、ロのいずれか少ない金額×10%(最高20万円)

「住宅特定改修特別税額控除」は「住宅借入金等特別控除」や「特定増改築等住宅借入金等特別控除」にも該当する場合にはいずれかの一つの選択適用となります。

② 住宅耐震改修特別控除

地方公共団体が作成した計画の区域内等で自己の所有する家屋に一定の「耐震改修工事」をした場合には、次の金額をその年の所得税から控除することができます。

イ 住宅耐震改修に要した費用の額

ロ 住宅耐震改修に係る耐震工事の標準的な費用の額

イ、 ロのうちいずれか少ない金額×10%(最高20万円)

「住宅耐震改修特別控除」は「住宅借入金等特別控除」の要件も満たしていれば両方の制度を重複して適用できます。

 

 

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