個人の土地に法人が建物を建てる場合の税金

 

同族会社においては、社長個人所有の土地に会社の建物を建築することがよくあります。社長所有の土地に法人所有の建物等を建築するに際しては、社長と法人間で土地の契約が必要となります。

自分の所有地だからといって安易に自分の会社名義で建物を建てると税務上問題が出る場合がありますので注意が必要です。

つまり、社長の個人所有の土地の上に建物を建てた場合、
税務上権利金の認定課税の問題が発生する可能性があります。

対策としては「土地の無償返還に関する届出書」を提出するか、相当の地代を収受することが必要になります。

「相当の地代」とは、一言で言うと、権利金を支払わない代わりに、ちょっと高めの地代を払う。ということです。その土地の更地価額の6%程度の金額です。更地価額は、近所の不動産売買事例を参考にするとか、相続税路線価の3年平均などによります。

役員の税金:会社から受取る地代は役員の不動産収入になります。
会社の税金:会社が支払う地代は会社の経費になります。

権利金を授受する取引きの慣行がある地域において、その授受がされないときは、税務上では、これらの行為があったものとみなして課税(認定課税)がなされます。ただし、この取扱いは、同族関係にある個人及び法人間の取引に対してのみ適用され、第三者間取引きには、適用されません。これは、第三者間取引は、利害の反する当事者間取引きですから、たとえ権利金の授受がなくても、そこに合理的な理由があると考えられるからです。

借地権の認定課税は、地主が会社か個人か、借地人が会社か個人かによって次のように取り扱われます。

1.地主が会社の場合

(1)借地人が会社の場合
地主である会社には、借地人に借地権相当額の寄付金をしたものとみなして認定課税がされます。一方、借地人である会社には、借地権相当額の受贈益があったものとして認定課税されます。

(2)借地人が地主会社の役員又は使用人である場合
地主である会社には役員又は使用人に借地権相当額の給与を支給したものとみなして認定課税がされます。一方、役員又は使用人には、借地権相当額の給与所得があったものとして認定課税されます。

2.地主が個人の場合

(1)借地人が会社の場合
地主個人には認定課税はありませんが、借地人である会社には、借地権相当額の受贈益があったものとみなして認定課税されます。

(2)借地人が個人の場合
地主個人には認定課税がありませんが、借地人個人には、借地権相当額の贈与があったものとみなして認定課税されます。(使用貸借の場合は課税関係は生じません)

 

 

地主                 借 地 人
会社 個人(地主会社の役員、使用人)
会社 地主:認定課税(寄付金)あり借地人:認定課税(受贈益)あり 地主:認定課税(給与)あり借地人:認定課税(給与)あり
個人 地主:認定課税なし借地人:認定課税(受贈益)あり 地主:認定課税なし借地人:認定課税(贈与)あり

※相当の地代 = 土地の更地価額×6%

 

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