原価管理のポイント|建設業工務店

原価管理(利益先行管理)のポイントは??

(1)税理士任せにしない

税理士の仕事は、会社全体の決算書を作成することですので、現場ごとの原価・利益は自社で把握・管理する必要があります。ひどい場合ですと、入金した時点で売上計上、支払った時点で原価を計上しているという処理があります。これは建設業経理ができていない証拠です。

会計システムも建設業専用のものに対応していなければ、不十分です。

また、総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)の「未成工事支出金」を期首の金額と期末の金額を洗い替えて処理している場合には、原価管理が会計上(毎月の試算表に)反映されていないということになり、洗い替え処理をした途端、黒字から赤字になるなどの現象が生じます。

 

(2)経理部を経営管理部門へ ~業務の見直しと(注)自計化~

①経理は、昔からの古いやり方を変えることを嫌がる部門です。手書きの振替伝票や銀行帳などを廃止して、自社でパソコン会計を活用し、現場ごとの原価・利益と会計を連動させる仕組みが必要です。

②建設業は、営業・工事の2つの部門を主体として経営しており、また、利益が出ているのかどうかは、社長の経験と勘の方が正しいと思っていることも多いです。このため、建設業では、経理部門は軽視され、経営の中核としての機能を果たしていない場合が多いのです。入金・支払というキャッシュの裏付けがある経理部を中心とした管理体制が必要になってきます。

(注)自計化とは、自社でパソコンと会計ソフトを活用し、現場ごとの原価の把握と試算表の作成までを行うことを指します。今では、手形の発行もソフトで自動印刷できるようになっています。

 

(3)試算表の早期作成

会計事務所への記帳代行から自計化を確立させ、毎月の成績表である試算表を自社でいち早く作成します。2ヶ月以上後になって試算表を見ても意味がありません。

 

(4)利益先行管理

(3)の試算表には工事完成基準によれば、完成現場の成績しか、損益に計上されません。今、着工している未成の現場の請負金額・原価(実行予算)も把握し、決算を迎えた場合の最終利益を固定費(一般経費)の推移とともに、毎月把握していきます。

経営会議・営業会議・工務会議では、以下のような項目を中心に数字ベースの検討が必要になります。

①今、完成している現場で追加原価の発生はどれくらいあるのか?

②未成の現場の予定利益はいくらか?原価は実行予算以内か?

③完成現場・未成現場を加味して、目標利益を達成するために受注がいくら必要か?原価削減はいくら可能か?

 

 

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