会費制の接待と交際費の経理処理

会費制の接待と交際費の経理処理

会社がホテルなどの会場を借りて、取引先の社員らを招待しての大規模な親睦会や懇親会を開催することがあります。
何周年記念とかそういうイベント、、、です。取引先への接待行為であるため、主催者が負担した費用の総額が交際費となるが、会費制の親睦会として取引先から一定額を徴収することもあります。
会費制の親睦会を開催した場合、取引先からの会費徴収により、親睦会費用の総額を主催者と取引先が互いに負担し合っていることから、それぞれの負担分が交際費となります。

こうした場合、主催者側の交際費の経理処理は、支出総額から会費徴収分を控除した金額を接待交際費として計上するいわゆる“相殺処理”が可能です。
交際費課税は、接待行為等に課せられる行為課税であり、接待等に要した費用の総額が対象となります。

会費制の親睦会は、取引先との親睦会という接待行為の費用総額を主催者が支出しているため、経理処理として、支出総額全体を接待交際費、会費徴収分を雑収入に計上するいわゆる“両建て処理”によるべきとも考えられます。

しかし、会費制の親睦会における取引先からの会費徴収分は、取引先が親睦会費用の総額の一部を負担したもので、実際に親睦会費用の総額を支払ったのが主催者であっても、主催者が単に取引先の負担分を立て替えているものに過ぎません。

会社が支出する交際費は、直接支出したものと間接支出したものを問わないとされ、接待等に要する費用を分担した場合にも、交際費の支出があったものとすることになっています(措通61-4(1)-23)。

そのため、主催者側に係る交際費は、支出した親睦会費用の総額ではなく、支出総額と会費徴収分とを相殺した金額としても問題はありません。

税務調査時には、会費制の接待等の費用総額を取引先等と分担した事実の説明を求められることも可能性としてありますから、会費徴収する旨を記載した案内状などを残しておくことが望ましいといえます。

 

 

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